2019年08月31日

お役立ちコラム 外壁塗装 03.外壁塗装と喘息・咳・アレルギー・体調不良・シックハウスの関係について
外壁塗装を行うことで健康被害(病気)が起こる場合はあるのでしょうか。実際に外壁塗装をする際に心配になる方も多いと思います。外壁塗装のイメージは、ペンキやシンナーを使うものというイメージがあると思いますが、現在では改良が加えられ臭気が少ない塗料も多くなり、外壁塗装を実施する際の健康被害の話や、近隣住戸からのご指摘等もほとんど聞く事はなくなりました。とは言え、特にお子様や妊娠されている方がいる場合等では、気になる方も多いと思います。そういう方がいらっしゃる場合は、どういった配慮が必要なのでしょうか?実際の健康被害についてもレポートしていきます。


住宅の外壁塗料が原因で病気になったという事はほとんど聞きませんが、現在販売されている塗料でも、有害物質といわれている成分が含まれていないわけではありません。新築間もない家等の建物に入った時に、室内で独特な臭い感じたことはありませんか?
これは建材や建材に塗った塗料として使われた材料から発せられる化学物質が原因です。ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(トルエン、キシレン、メチルメルカプタン)といったもので、名前を聞いた事がある方も多いと思います。
一番有名だと思われるホルムアルデヒドは有機化合物の一種で、毒性が強く、いわゆる「シックハウス症候群(新築の住居内などで起こる、倦怠感・めまい・頭痛・湿疹・のどの痛み・呼吸器疾患などの症状があらわれる体調不良の名称)」の対策として、建築基準法によりホルムアルデヒドを飛散させる建築材料の使用について制限が設けられています。
人体へは濃度によって粘膜への刺激性を中心とした急性毒性があり、ひどい場合は蒸気は呼吸器系、目、のどなどに炎症を引き起こします。
但し、密閉に近い空間で使用されている内装材の塗料で刺激臭の話ですので、外壁塗装では感じる事は少ないと思います。
しかしながら、自分自身が敏感である場合や臭いに敏感な状態の妊婦さん、赤ちゃん等の配慮が必要な場合は、割高になるかもしれませんが、できるだけ環境に配慮した塗料を選ぶ事をお勧めしています。
外壁塗装は外部(外気)に面している事もあり、神経質になりすぎる必要はないと考えます。

外壁塗装に使用される塗料の成分の内、臭いがきつい物は、シンナーと呼ばれるような有機溶剤が使用されているものがあります。住宅の外壁塗装では想定しにくいですが、その刺激臭を長く吸うと、めまいや目のかすみなどの症状になってしまう場合があります。塗装以外でも刺激臭を吸わないようにする事は必要です。
具体的な対策を紹介します。

油性塗料ではなく、水性塗料にて行う

ひと昔前までは、臭いが強い油性塗料が一般的でしたが、健康被害の問題だけでなく、外壁への塗装し易さや仕上りの綺麗さ等から水性塗料も品質が向上し、多くの種類の塗料から選ぶ事もできます。
水性塗料は、塗料の主成分が水で出来ており、希釈にも水を使うため独特のシンナー臭が無い優しい塗料です。健康問題、環境問題に対しての取り組みを評価する今の世の中、水性塗料は理想的な塗料といえるかもしれません。

マスクを用意する


まずは、不織布タイプのマスクで対策する程度で試してみる事をおすすめします。マスクをすると汗をかいたり鬱陶しく感じるかもしれません。季節を問わず夏でも臭気は伴いますので、塗装時期を冬に変更するのも一つ有効な手段かもしれません。本格的なマスクですと「防毒マスク」といわれるマスクがあります。プラモデルの塗装の際に使うといった場合等の対策用ですので、そこまで対策するかどうかは実際の臭気の感じ方次第での検討をおすすめします。

肌の露出を控える

肌も空気に接しているので気になるようであれば、長袖長ズボン、マフラー等で、できるだけ肌を露出させないようにしましょう。

それでも厳しいようであれば塗装期間は別の場所で過ごす。

1番効果的な対策は、外壁塗装工事現場に一切近づかない事になります。
仮にいろいろと対策をしたとしても心配という事もあると思います。その場合や妊婦さんや赤ちゃんは、別の場所に住む事も念頭に入れておいたほうがいいでしょう。1か月間程度ウィークリーマンション、マンスリーマンション等で過ごす等、考えられる手段はいくつかあります。


では、体内に取り入れてしまうと発症してしまう健康被害の原因となる物質はどのようなものがあるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。

①シンナー

メジャーな塗料有害物質といえば、『シンナー』だと思います。
外壁塗料で使われるシンナーには・トルエン・キシレン・イソプロピルアルコール・1-プタノール・メタノールといった物質が含まれています
これらの含有量は微量です。ただアレルギー反応を起こす事で体調を崩す方がいらっしゃいます。
ペンキ独特の嫌な臭いがない水性塗料はシンナーなどの溶剤を使わず、主成分が水で出来ていますので安心です。塗料の成分独特の臭いがする事はありますが、健康被害を及ぼす成分はなく、シンナーの臭いではありません。

②ホルムアルデヒト

先にも述べたにシックハウス症候群を発症する危険性のある物質です。
『ホルムアルデヒド』は、特に油性塗料に含まれます。現状の外壁の塗装面の状態(きちんとメンテナンスされているかどうか)によっては、油性塗料を使わないと仕上りが旨くない場合もありますが、劣化が少ない場合であれば、水性塗料でも十分に塗る事ができ、高い品質の塗装が可能です。
定期的にメンテナンスする事で、負荷が少ない塗料を選ぶ事ができます。

③voc(揮発性有機化合物)

一般的に外壁塗装に使われる塗料に含まれる事が最も多く、かつ、人体に健康被害をもたらす可能性が高い物質に『voc(揮発性有機化合物)』があります。これは事前に対策が必要です。ホルムアルデヒドもこの一つ。この成分は、樹脂を溶かし外壁を塗りやすくする溶剤系塗料に含まれています。外壁塗装中はもちろん、外壁塗装後数週間におよび気化し続けて外気にvoc(揮発性有機化合物)を放出しつづけますので、使用の際には注意が必要です。劣化状況によっては水性塗料を使用できますが、下塗り・上塗りをよりしっかりするために溶剤系塗料を使わざる得ない場合があります。

建材のホルムアルデヒド放散の等級表示がされています。
「F☆☆☆☆」マークの「F」はホルムアルデヒド、「☆」の数が多いほどより放散が少ない事を意味しており、F☆☆~☆F☆☆☆☆で表現されます。
建材(塗料も含む)はホルムアルデヒドの放散量により、下記のようにFスターで分類されています。
F☆☆☆☆:使用面積制限なし
F☆☆☆ :使用面積制限有り
F☆☆  :使用面積制限有り(F☆☆☆より使用面積が小さい)
マーク表示なし:使用禁止
水性塗料はほとんどがF☆☆☆☆です。

塗料の有害物質の含有量からは、通常は健康被害はないと考えられます。
とは言え、昨今たくさんの子どもがいろいろな食品や環境のちょっとしたことでアレルギー反応を起こしてしまい、様々な症状を発症しているケースを考えると、可能性を考えておくことは必要です。ここでは発症した場合の症状をみてみましょう。

① 目 目のかすみ・かゆみ・乾き、目の玉がゴロゴロする・チカチカする、視力低下、1つの物が二重に見える 光がいつもよりまぶしく見える
② 口 咳・くしゃみ、のどが痛い・口の中か乾く、声のかすれ、味覚障害、呼吸しにくくなる
③ 鼻 鼻のかゆみ、鼻の中の痛み、鼻水・鼻づまり、
④ 頭 めまい、高熱、イライラする、頭痛
⑤ 皮膚 かゆみ、湿疹、面皰(にきび)、多汗
⑥ 消化器 下痢・便秘、おなかに痛み、圧迫症状、小腸炎、大腸炎
⑦ 筋肉・関節 筋肉痛 関節痛
⑧ 腎臓・泌尿器 頻尿、膀胱炎、尿が出にくくなる。インポテンツ、性的興奮が弱まる
⑨ 他 アトピー性皮膚炎、震え、睡眠障害、ノイローゼ、うつ状態、吐き気、生理不順、不妊症、貧血、免疫力の低下、痙攣、思考力の低下、甲状腺機能障害
 
例としてあげた症状例は、非常に多岐にわたりますし、本当に塗装が原因かどうか確認する必要もあるでしょう。まずは工事現場から離れて様子を見て、判断する事が必要です。


まずは病院に行き検査・診断をしましょう。
その前に、住宅の外壁塗装が本当の原因かどうか確認する必要があります。
専門的治療の話になりますが、トルエン中毒・シンナー中毒になってしまった場合は、血液や尿を用いて代謝産物を測定し、臓器障害や電解質異常、ガス交換異常がないか確認をします。また、不整脈や肺炎などを起こしてないかの確認、心電図や単純レントゲン検査など行い、心臓や肺の状態がどうか、中毒症状の具合を判定します。
検査後、中毒と診断された場合は、どれくらいの量や時間、トルエンやシンナーを吸ったのか、どんな症状が発症しているのか、同時に他の症状はないかといった事を考慮して治療していきます。トルエンやシンナーの解毒剤というものは存在しないため、それぞれ発症している症状に対して対処していく事が基本となります。
例えば、間違って口から飲んでしまった場合は、胃洗浄や、下剤等を使う事もありますが、口から息とともに吸った場合は、まずは新鮮な空気を大量に吸いこむ事で、トルエンやシンナーの摂取した量を軽減させます。酸素投与や挿管しての人工呼吸、心臓マッサージ等も行う事もあります。
何か症状を感じたら外壁塗装している場所から離れて、新鮮な空気を取り込みましょう。子どもの場合は、外壁塗装している場所以外で過ごす事を考えましょう。

工事中は職人さんが自分の土地に入り、足場を組み立てて屋根に乗ったり、普段は外から覗かれる事はないのに目線があってしまったり、近隣に気を使ったりとストレスがかかります。そのため普段であれば大丈夫でも、健康を害してしまう可能性もあります。雨・風や紫外線を守る大事な家のためにも、事前にしっかり対策をして外壁塗装を実施しましょう。

まずは、新鮮な空気を取り込む事

外壁塗装を行うことで健康被害(病気)が起こる事は、住宅の場合ほとんどなくなりました。また、近隣住戸からのご指摘等もほとんど聞く事はなくなっていますが、子様や妊娠されている方がいる場合気になる方もいらっしゃいます。
気になったらまずは、新鮮な空気を取り込むようにしていく事が大切です。

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